期首商品がない場合

平成X1年1月1日、皆さんが雑貨屋さんを設立し、事業を始めました。そして、販売する商品は、問屋から仕入れることにしました。
初年度でしたが、順調に売上を伸ばすことができ、年度末の平成X1年12月31日、決算を行いました。

仕入伝票をもとに今年の仕入金額を集計したところ、250,000円となりました。そして、倉庫の中を確認したところ、50,000円分の在庫が残っていました。
一方、売上伝票をもとに売上金額を集計すると、300,000円となりました。

このような場合の売上原価の計算を行ってみましょう。

上記の情報から売上原価と売上総利益を計算すると、売上原価=仕入なので
売上高300,000円 – 売上原価250,000円 = 売上総利益50,000円
となり、今期は50,000円の儲けがあったと言えそうな気がします。

ですが、この計算式だと、年末の在庫の分が考慮されていません。問題文にあるとおり、倉庫の中には50,000円分の在庫が残っています。言い換えると、販売された商品は250,000円から50,000円を引いた200,000円となります

ですので、改めて売上原価、売上総利益を計算すると
売上高300,000円 – 売上原価200,000円 = 売上総利益100,000円
となります。

つまり、簿記3級では販売された商品が売上原価となるので、期首商品がない場合は当期に仕入れた金額からその当期の在庫(期末商品)を引いた金額が売上原価となります

また、倉庫に残っている在庫は、もちろん捨てずに翌期に販売します。いわば、在庫として扱うことになります。このように、期末に残っている在庫商品のことを、簿記では『期末商品』と呼びます

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