【簿記3級】本番でゼッタイ落とさない訂正仕訳の解き方。訂正仕訳は、間違った仕訳から考えよう!
Yahoo知恵袋に、訂正表について質問を送っている人がいました。
簿記3級の精算表について質問です。
◯◯商店から振り込まれた当座預金口座への振り込み額15,000円は受取手形の回収に伴うものだったが、売掛金の入金として誤って処理されていたことが判明した
回答
売掛金15,000円/受取手形15,000円なのですが、なぜこうなるのかわかりません。質問自体がよくわかりません。よろしくお願いします。
確かに、この方が書かれているように、質問の意図を読み取れていないようです。
訂正仕訳とは、間違った仕訳を正しい仕訳に修正する方法
例えば、日々記帳をしている際に、仕訳の金額や勘定科目を間違ってしまうことがあります。その場で気付いたなら、直ぐに修正したり、もしくは会計ソフトを使用していれば、金額や勘定を修正すると、ソフト側で全て更新してくれるので問題はありません。ですが、紙の帳簿で記帳している場合は、例えば1ヶ月前の仕訳を、勘定を消して修正するのは大変な作業となります。
ですので、簿記試験でもそうなのですが、仕訳に間違いを発見した場合は、帳尻を合わせるため、金額を訂正する仕訳を追加します。そして、この方法は「訂正仕訳」と呼ばれ、簿記試験にもよく出題されます。
では、改めて問題文の内容を確認してみると
と書かれています。
つまり、本来の仕訳は
当座預金 | 15,000 | 受取手形 | 15,000 |
という形だったのですが
当座預金 | 15,000 | 売掛金 | 15,000 |
と仕訳してしまったという内容になります。
そして、仕訳を訂正するため「売掛金」の勘定を消しゴムで消して、「受取手形」と変更できれば良かったのですが、その作業はできないので、訂正仕訳をした。その訂正仕訳を記述しなさい、というが問題の意図となります。
訂正仕訳は、間違った仕訳を消す仕訳を考えることです
それでは、実際に訂正仕訳を行っていきますが、貸方にある「売掛金15,000」という間違った項目に対して、借方に同様の仕訳を記述することで、貸方の売掛金をなかったことにします。
当座預金 | 15,000 | 売掛金 | 15,000 | |
売掛金 | 15,000 |
そして、本来の項目である「受取手形15,000」を貸方に記述します
当座預金 | 15,000 | 売掛金 | 15,000 | |
売掛金 | 15,000 | 受取手形 | 15,000 |
こうすることで、売掛金が相殺されるので、当座預金15,000と受取手形15,000が正しく対応するようになります。
当座預金 | 15,000 | |||
受取手形 | 15,000 |
そして、この問題では、訂正仕訳を行ってくださいという問題なので
売掛金 | 15,000 | 受取手形 | 15,000 |
こちらの仕訳が、解答となります。
金額が違う場合も、間違った仕訳の訂正から行う
次に、勘定科目は合っているけれど、金額が間違っている場合を考えてみましょう。
これも、本来の仕訳を考えると
仕入 | 150,000 | 現金 | 150,000 |
となるのですが
仕入 | 15,000 | 現金 | 15,000 |
と書いてしまったとなります。
それでは、先ほどと同様に、間違った仕訳を消すために、逆の仕訳を行います。
仕入 | 15,000 | 現金 | 15,000 | |
現金 | 15,000 | 仕入 | 15,000 |
そして、正しい仕訳を改めて記述します。
仕入 | 現金 | |||
現金 | 仕入 | |||
仕入 | 150,000 | 現金 | 150,000 |
こうすることで、間違った仕訳が相殺され、最終的に正しい金額となります。
ここから、訂正仕訳は
現金 | 15,000 | 仕入 | 15,000 | |
仕入 | 150,000 | 現金 | 150,000 |
このようになります。
訂正仕訳は、間違った仕訳から考えると解きやすい
訂正仕訳は、慣れないうちは解きづらいので、出題側も意識している部分があるかもしれません。とはいえ、解き方を覚えてしまえば得点源になるので
- 間違った仕訳を書き出す
- 間違った項目を消す仕訳を考える
- 正しい項目を追加する
このような手順で考えると、解きやすくなります。
コメント
コメント失礼致します。
簿記3級の試験に向けてつまずいてしまった訂正仕訳の問題を
色んなサイトを回って解いております。
その中でこちらのサイトにたどり着いたのですが、
問題文と回答内容が異なっていると感じてしまい、
私の認識が正しいのか確認したくコメントさせて頂きました。
問題文では「売掛金の入金として誤って処理されていた」とあります。
ですが説明文では「貸方にある「受取手形15,000」という間違った項目」とあります。
私は説明文を確認せずに問題文を見て自身で解いてみました。
そうすると、
・間違った仕訳:借方 当座預金15,000 貸方 売掛金15,000
・逆仕訳:借方 売掛金15,000 貸方 当座預金15,000
・正しい仕訳:借方 当座預金15,000 貸方 受取手形15,000
・答え:借方 売掛金15,000 貸方 受取手形15,000(当座預金を相殺)
上記の形になりました。
問題文だけを見て解いたらこうなるはずだと思うのですが如何でしょうか。
恐らくたくさんの独学される方がこのサイトに行きつくと思います。
しかし、書いて下さっている内容が間違っていたら、
皆さん混乱してしまうと思うのです。
こうやって解き方を教えて下さるサイトを開いて下さっているのは
独学している身としては本当に助かります。
だからこそ、確実な内容を記していて欲しいと思います。
宜しくお願い致します。
コメント、ありがとうございました。
ご指摘の通り、勘定科目が間違っており、訂正を行いました。
今後も、ご利用頂ければありがたいです。